すき、きらい、すき

すき、すき、すき

ホバークラフトは進む。

「神々の領域」

 

2012年9月19日に発売された10枚目のシングル「キスだって左利き」のカップリング曲。歌唱メンバーは当時在籍していた1期生の11人。念願のナゴヤドーム1曲目にも歌われた曲です。

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1期生にとってとても大切な1曲です。

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“霧の中に川は続くよ 深い森を這うような迷路

君を追ってここまで来たよ 水を走るホバークラフト

ホバークラフトって、【夢の乗り物】と呼ばれていたようです。夢を乗せた乗り物。このグループのことでしょうか。霧のなか、確かな道を、それぞれの夢を乗せた船が走り始めます。

 

“咲き乱れた 名もなき花たち”

咲き誇るでも、咲き揃うでもなく咲き乱れる。それぞれ違った花たちが入り乱れるように咲いている。まさに個性豊かな1期生のようだと思います。そして彼女たちはまだ”名もなき花"。そう、ここはゴールではなく、あくまで夢の通過点。彼女たちに名前がつくのは、それぞれの夢を叶える時。

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“神々に導かれるように 雨に打たれてやがて虹を見たんだ”

SKEにとって大切な日はいつも雨、と言われています。お披露目の日、ナゴヤドームコンサート日、中西優香さんと佐藤実絵子さんの卒業公演、松井玲奈卒業コンサート、もっと細かくあげればキリがないほど雨です。大矢真那さんの卒業発表した日も雨だったかな?記憶違いだったらすみません。

虹って雨が降らないと見えないですよね。雨粒が太陽の光を反射して見えているものが虹。何度も何度も、雨が降りました。いつまで続くのかわからない雨もありましたね。でも最近、ようやく雨が止んだように感じます。虹が見れるのは、もう少し先なのかもしれません。そこには太陽の光が必要です。

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サビの締めでは1番に"あの光"、2番に”あの翳り"と使われています。対比するような歌詞。私が大好きな「強き者よ」にも”勝者”と”敗者"という対比が出てきます。【戦士】と呼ばれたアイドルらしいですよね。また、こちらにも「雨」が出てきます。SKE=雨、というのは運命付けられているのかもしれません。

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 この曲はずっと、1期生のみ歌唱していました。そして先日の大矢真那卒業コンサート。きっと歌うだろうな、でも一人残された松井珠理奈を見ることになるのかな…そんな思いを抱えて当日。楽曲の衣装を着て歌う2人、周りには踊るだけの全メンバー。

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そして間奏。青と白に染まった景色を目に焼き付けるようにしばらく見つめた後、大矢真那さんはその場を去り、真ん中には珠理奈さんが一人残される。ああ、この時が来てしまった。しかし、大サビではこれまで踊りに徹していた全メンバーが歌い始めます。

涙と震えを堪えながら必死に歌う珠理奈さん。他のメンバーは珠理奈さんを囲むように、ファンにではなくたった一人の小さくて大きな背中に向けて歌っていました。振り付けも、照明も、歌声も全てたった一人に向かって。まるで”立ち入れない領域”に踏み込む覚悟が出来たように。

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 ただ、だからこその珠理奈さんの孤高さが目立ちました。珠理奈さんと、後ろに立つメンバーの間の距離がとんでもなく遠く感じてしまったのです。まさしく”最後の勇者"の姿でしょうか。

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この曲の"君"は、”夢"だと私は考えます。

「君を追ってここまできたよ」

個人的な夢を抱えて乗り込んだ夢の乗り物。

そして”神々”="集った夢"に導かれる。

”愛の場所"には辿り着けたのでしょうか。

「君の全てを手に入れる旅になる」

そして夢を掴む旅は続く。

咲き乱れる"今の"名もなき花たちが、虹を目にすることができるように。

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そしてこの涙に濡れた真っ直ぐな眼差しが曇らないように。

たくさんの夢を乗せたホバークラフトは今日も進みます。